脳量子波実験報告

思考の垂れ流し

Over Sky

カオチャクリアしたのでテキトーに。まだやってなくてやる気ある人は読まない方が良いです。前情報なしでやらないとこのゲームは面白くないと思うので。ネタバレですらないプレイヤーの感想を見るだけでもまっさらな気持ちで楽しめないかもしれない。僕は垂れ流してるので申し訳ないですが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この作品は今までの科学アドベンチャーシリーズと比較しても異色である。

今までの作品では、中盤からはひたすら謎と敵の強大さを撒き散らし、終盤で謎を回収しつつその強大な敵に立ち向かうカタルシスがキモであったが、今回は中盤からは起承転結の転が延々続く様な、プレイヤーの予想を裏切り続ける展開が続く。

明らかにここはこうだろうというヒントを出してミスリードを誘い、しかし明かしてみれば全く違う事実が出て来てさらに謎が謎を呼ぶ。

そうして進んでいった先に明かされる真実はプレイヤー、あるいは宮代拓留にとって耳心地が良く、都合の良いものではない。

ひたすらにくそったれな「現実」がのしかかってくる。

そこで、このゲームのキャッチコピー「そして。僕は、このくそったれなゲームをクリアーした。」という一文が効いてくる。

プレイヤーも、宮代拓留も、くそったれな現実を目の当たりにして、それでも今更参加したゲームから降りる事などできないのだ。

くそったれのゲームをクリアーする術は宮代拓留にしか持たされておらず、歩みを止めることは許されない。

 そして迎える結末は…

 

キャラクター紹介

 

・宮代拓留

主人公。碧明学園新聞部の部長。情報を集めるのが大好きで自分を情報強者と称し、ネットの浅い情報に踊らされて騒ぎ立てるクラスの連中を情弱と呼び見下している。

知らない人、慣れない人と話すときにコミュ障状態になるくらいで過度の社会不適合者感がないので西條拓巳に比べてこっちのタクはマトモすぎない?こんなんでギガロマニアックス能力者になれんの?と思っていたが話が進むにつれ実は拓巳が可愛く見えて来るほどブッ壊れている事が判明する。

 

・尾上世莉架

拓留の幼馴染。新聞部に所属。前作、カオスヘッドプレイヤーならばこのキャラクターがギガロマニアックスの素養バリバリで怪しさ全開なのは一目瞭然だろう。いやまあカオスヘッドの続編であるこの作品においてヒロイン、しかもメインヒロインという位置付けの時点でもうほぼ確定ではあるんだけど。

宮代拓留の言動を全肯定、拓留が望むなら迷わずその行動を取る。と行動の全ての基準が拓留なのだ。

これが普通のギャルゲーならば献身的なヒロインだね〜で終わるがこの作品においてそれは偏執であり依存であり異常である。

まあ実際にはギガロマニアックス持ちどころじゃない秘密があった訳だが…

 

・来栖乃々

拓留の幼馴染。生徒会長にして新聞部の副部長。

怒ると怖い拓留の姉ちゃん役。

序盤から何かありますよ〜私は重大な事実を隠し続けてますよ〜感をひたすら出して来る。終盤今までそんな素振りを見せなかったのに当たり前の様にディソードを取り出したりと続きや真相を散々気にする様な要素を出しておきながら1周目ではそのまま真相を明かすことなく退場する。

個別ルートでかなり重要な真実が明かされるので世莉架に次ぐ裏メインヒロイン的ポジション。

シナリオも1番ギャルゲギャルゲしてたし…

 

・ 香月華

 無口キャラ。意思表示は「ん」のイントネーションのみ。

1週目の共通ルートだと出番こそそれなりにあるが喋らない理由や能力についてがわかる事はなく、スポットが当たることはない。 

個別ルートに入るとゲジ姉という単語が出たりナイトハルトが登場したりシリーズファンにはとってはアツい。シナリオもぶっ飛んでいて中々面白い。

 

 ・有村雛絵

ストーリー上初めてマトモに遭遇する事になる能力者。

相手の言葉がウソか本当かを見抜ける。

出会いが衝撃的なので最初こそ疑ってかかるだろうがフタを開けてみれば1番ヒロインらしいヒロインだったのではないでしょうか。

 ただ個別がヤバイです所謂今作のこずぴぃ枠です。このシリーズのツインテールはヤバい。

 

・山添うき

 幼女。他人が望んだ物を無意識に読み取りリアルブートしてしまうという能力を持っている。何処までも献身的な聖女キャラ。個別ルートが個人的には一番好き。流石の僕も幸せになってくれ…と思ってしまうくらい良い子キャラ

 

 

 

 事件を追ううち、拓留は尾上世莉架が来栖乃々を手にかけようとするところを目撃してしまう。

そして世莉架を追う拓留は真実を知ってしまう。

尾上世莉架は、元々宮代拓留のイマジナリーフレンドだった。つまり、空想上の友達である。

サードメルト―渋谷地震以前から拓留の脳内にだけいた「それ」が、地震により能力者として覚醒してしまった拓留の強い望みによってリアルブートされたのだ。

ニュージェネレーションの再来事件を追う途中、拓留は自分に念動能力があることに気づき、ディソードを扱える様になるのでこの時点でようやくギガロマニアックスとして覚醒した様に思えたが、宮代拓留はサードメルトの時点で既にギガロマニアックスとして完全覚醒していたのだ。

実在しない人間を6年もの間リアルブートし続けていられるほどに。

 

そして、リアルブートした尾上世莉架に宮代拓留は願った。

話相手になって?僕のことを助けて?僕の気に入らないアイツを殺して?そんな事ではない。

 

地震が起きる前までは自分は情報強者だと思っていた。

クラスの奴らはバカばかりで、自分こそが特別な人間だと。

しかしサードメルトが起きて、廃墟と化した街並みを助けを求めて徘徊していると何も知らないクラスの馬鹿達が必死にガレキに埋もれた女性を助け出そうとしていた。自分に気づいたクラスの連中は一緒に助け出そうと頼んできた。自分の体はそれを言われても動かなかった。

避難所で偶然再会した両親が一緒に安全な別の避難所まで移動しようと連れて行こうとした。普段は家にご飯代のお金だけを置いて夜遅くまで仕事へ行っているようなネグレクトをしていた親だったくせに。またしても自分の体は動かなかった。

こんな自分のことを省みない馬鹿たちや親の言うことを聞くのはごめんだ。僕は特別なんだ。情強なんだ。僕は僕の意思でやりたいことをする。

情報なんていくらあったっていざと言う時にそれを活用できなければ意味はない。その現実を否定するために。

 

「僕にやりたい事を与えてよ、それを、叶えさせてよ」

 

 こうして宮代拓留の頭の中だけにいた尾上世莉架は実体化した。最初は宮代拓留に助け出されるべき地震被災者として。宮代拓留の「やるべき事」として。

そして尾上世莉架は拓留の願いを叶えるために拓留を連れて行こうとする両親、拓留のやりたいことを阻害する対象を排除―殺害した。

 

6年後、事件が起こる。ニュージェネレーションの狂気の再来。

6年前を想起させる事件の連続。興味本位で首を突っ込んだ宮代拓留を徐々に当事者として引き込み、大切な人間を奪い、事件を解決する大義名分を与える。

全てが宮代拓留を拓留にとっての英雄―西條拓巳と同じ道を歩ませ、2人目の英雄とするための儀式。

その全てを尾上世莉架が仕組んでいた。宮代拓留の願望を叶える為だけに。その為に生み出された存在なのだから。拓留が事件を捜査していて詰まりかけたときはそれとなくヒントを与え、道筋を示してきた。宮代拓留に事件を解決させる為の茶番を演じてきた。

家族や友人を奪われ、それでも求めた真実は自分―自分が生み出した自分の欲望を忠実に叶える人形が一連の事件の犯人と言う現実。

自分を指し手に選んだ自分の為のゲーム。

最高にくそったれなゲームだった。

 

 拓留は世莉架を止める為に死闘を演じ、更には宮代拓留という能力者サンプルへの実験の為に世莉架と組んで裏で事件を指示していた元ギガロマニアックス研究者であった拓留や乃々が暮らしている孤児院の院長―佐久間を殺害する。

 死力を尽くして世莉架を行動不能にした拓留は自らの身勝手な欲望が生み出してしまった罪深き人形を再構成する。

能力も記憶も奪い、普通の女の子として生きてもらう為に。二度と自分の欲望の為に過ちを犯す事の無いように。

そして拓留はニュージェネレーションの狂気の再来事件、その真犯人として罪を償う道を選ぶ。

 

 と、ここまでが1週目のエンディング。

 

中盤からの展開は良く出来ていたと思う。

徐々に不安を掻き立て、事件がどんどん身近になっていって最後には知っている人間までが犠牲者になってしまい、周囲の親しい人間までも信じられなくなっていくまでの過程は宮代拓留に感情移入させるのに十分だった。

拓巳はそもそもぼっちだったので独りで事件に追われる恐怖があったが、こちらは周囲に親しい人間がいるからこそ、その友人や家族までを疑わなければならないじんわりとした不安、恐怖があった。

 

残念な所は今回も一連の事件の扱いが後半になるとおざなりになる所かなあ…

いやあの事件拓留楽しませるためだけのものだしいいっしょwと言う具合で具体的にどのようなトリックで殺害したのかは特に明かされないまま終わる。

ギガロマニアックスさえあればどんな不可能に思える手口も可能に出来るのでそれでいいんだが…だが…

やはり前作でも同じように序盤は事件を追うところから始まるのでギガロマでやりましただとしても誰がどのように能力を使って事件を引き起こしたのかというところは説明して欲しかった。特に今回の拓留は「知る」という事に執着を持っていたキャラだし。いやネタ晴らしされる頃には各事件の手口とか気にしてる状況じゃないのはわかっているが。

それにマッピングトリガーという事件を推理する為に事件の概要を追わせるシステムまで付けたのに今までの殺人はギガロマどかーんで全部解決です特にひとつひとつ説明とかしませんとぶん投げられてしまうのはなんだかなあ…と思ってしまう。

序盤各事件の起きた位置、そして同じ日の6年前の事件はどこで起きたかまで地図に書き込むのでもしかして事件の起きた場所を線でつないだりしたら何かのメッセージや図形になるんじゃないの!?とか思ってたけどそんな事はありませんでした。

 

あとは不安を掻き立てる為だけに特に意味のない演出を入れたり。

事件の被害者たちは必ず一定のリズムで扉をノックする音を聴いており、拓留もこれを聞きなんらかの意味を持っているような疑惑をかけるのだが特に説明なし。

また、力士シールを象ったお面を被った集団がワケあり気味に中盤から街中に登場するのだがこれも特に意味のない、単なる事件を面白がっている連中の悪ふざけという扱いで終わる。

 

 あと限定版特典にペーパークラフトの箱つけた奴はマジでガチクソ野郎だなマジで!マジ!!!!!!

 

いやペーパークラフトの箱とか何に使うねんゴミやんけこんなんと思ったらよお!

ゲームやっててペーパークラフトの箱が何処で登場するのか知ったらよお!馬鹿かお前!バカ!

 

 

 

 

 

 なげえし放心状態なのでTRUEエンドはまた次な!