心停止実験
このブログの放置も長いことになったが自分が退院してからも半年くらい経ったし、なんとなく入院の始まりから終わりまでを久しぶりに更新するついでに書き残しておこうと思う。ブログ名実験報告だし"ぽい"奴書いとこ。
ちなみに改めて説明すると罹ったのは所謂心不全、心筋梗塞、心臓麻痺とかそんな名前の奴です。デスノートに名前書かれたんだと思います。
事の始まりは月末週の平日。
平日なので当然仕事があったが前日イマイチ寝つきが悪く、3時間程しか寝ていなかったと思う。
とは言え元々寝つきは良くない方なのでそれはさほど珍しい訳でもなく、寝坊もしなかったのでいつも通り準備をして家を出た。
やや気怠い感じはあったが駅まで歩き、電車に乗り、10分ほどしたところでそれは発生した。
貧血だった。
我慢出来そうなら降りずに耐えようかと思ったが立っているのも辛いレベルの物だったのでひとまず到着した駅で降り、近くにあったベンチに座って調子を整えようとした。
単なる貧血だし少しじっとしていればすぐ治るだろう。会社着くのは遅れるけどせいぜい10分もすれば収まるだろうし。
そう思ったが、視界はブラックアウト寸前のまま10分以上経っても治らなかった。
30分ほど経過したところで(何かおかしくないか…?)と思い携帯で「貧血 治し方」みたいな事を検索した。検索結果は月並みな、まさしく今実行している楽な姿勢でジッとしてろというモノしか出てこないので特に役には立たなかったが、文字を読むことで気を紛らわすくらいにはなった。
結局、1時間近く経った所で相変わらず貧血状態ではあったが何とか歩ける程度にはなったので会社に休むと連絡入れ、家に引き返して一日中横になっていた。
翌朝。
眼を覚ますも相変わらず貧血症状のまま。
いくらなんでもおかしい。病院行こう。
結果を見れば昨日の時点で行っておかなければならなかったのだが、自分の体感では本当に貧血でしかなかったので、病院に行くほどではないと考えていた。
とは言えまだ甘く見ていた。
昨日突発で会社休んだのも巻き返さないといけないし、午前に病院行ってから午後出社にしようと考えた。
唯一正しく判断出来ていた事と言えば、「ずっと貧血続くとか何がどうなってるか、どこに診てもらうべきなのかもわからないのでとりあえず近隣で一番大きい総合病院に診てもらおう」と決めた事だった。
その通りに総合病院に向かい、何科の受付に行くかもわからないので総合受付に向かって
「なんか……こう…昨日からずっと貧血症状みたいなのが続いてるんですけど……これ何科で何の検査受ければ良いんでしょうか……?」
と滅茶苦茶に曖昧な質問をして受付の女性に怪訝な顔をされながらも、MRIだとか色々検査を受けた。1万飛んでトホホ…ってなった。この後37万飛ばされるので1万とかかすり傷レベルなんですけどね。
結果は後日という事で病院を出て、予定通り電車に乗って会社に向かった。
電車に乗っている間、数回電話がかけられたが電車内だし、そもそも知らない番号からの電話は出ないので無視をしていた。
先ほど検査を受けた病院からの電話を。
…こうして書いてみると悉く選択肢をミスっていて即死バッドエンド直行しまくってて面白いな…
まあ、検査後会社へ向かう事は病院にも伝えていたし、緊急連絡先として会社の番号もキッチリ書いておいたので、会社に電話が行っていたのだが。
かくして会社に着いた瞬間、その電話を受けていた上司に「なんかキミ宛に今すぐ電話折り返してって◯◯病院から連絡来たんだけど…」
と言われ、電話をかけ直そうとするとさっき見て無視した番号。
そして(あっちゃ~申し訳ない事したな~なんだろう忘れ物の連絡とかかな?)と此の期に及んで全く危機感を覚えない俺。
病院の連絡は「先ほどの検査について今すぐ連絡したいことがあるので病院戻ってきて下さい」との事だった。
ここで漸く「何か良くない結果出たのか…?」と思い至る俺。
しかしまだまだ楽観視。診断書貰って休めるんじゃね?とか考えています。心臓止まって永遠にお休み貰えそうになってるのに滑稽です。(このリアクションしづらいジョークはお気に入りなので今後も出て来ます)
そんなこんなで病院戻ると速攻で心電図撮られる。それが終わるなり医者がやって来て言った。
「えーちょっと検査結果を見るに貴方は今心臓が止まりかけてます。それで、えー…急を要するので本来であれば手術の説明して同意書にサイン貰わないといけないんですがそれは事後にして、とにかく今すぐ手術します。」
…………?
なんて?
と思っている間に担架に乗せられ手術準備室の様な所まで運ばれご家族に連絡するから番号教えて?アルコール消毒大丈夫?持病は?常飲薬は?身体に何かしら器具とか埋め込まれてない?てかどこ住み?LINEやってる?とか質問責めにされながらパンツすら残さず服を剥がれおばちゃん看護師にバッチリちんちん見られながら手術服を着せられ隣の手術室へ移されて手術が始まった。
事前の説明だと手首の血管からカテーテルとかいうハイテククダギツネを入れてレーザーで詰まってる箇所焼いたり風船膨らませて広げるみたいな手術をやるらしい。
注射レベルで既に嫌いなのでそんな激エグ注射みたいなもん嫌だわ…と思っていたし、実際やられたら麻酔があるので痛みはないとは言え明らかに自分の腕の中で管が蠢いているのが感覚としてわかってしまうのでえ~キモ!!!!!!と思った。
そして俺の体も俺の意思に同意見らしく血管縮んじゃって動かしづらいと医者からクレームを入れられる。
(ンな事言われてもキモイもんはキモイんだが…)と思いながら力抜ける様深呼吸とかしたけど全く改善せず。
困った医者は手首から一度管を抜いて太腿から再突入。二穴責めである。どころかハイテク管入れた反対側の手首は点滴が刺されているので三穴責め。やだハード壊れちゃう。壊れかけているのは心臓ですけども。
流石に足の血管ともなると多少縮んでも動きにくいなんて事は無く、その後はスムーズに進んだ。
ハイテク管がレーザーを照射するとき、口の中からパチパチ音がしてわたぱち食ってるみたいだった。
刺し直しの手間こそあったものの、時間としては1時間かそこいらで終わったと思う。
終わったあたりでちょうど家族が来て手術内容の説明。やっと終わったーという安堵感とまあネガティブな事は言ってない説明だったのでとりあえず成功した、程度しか覚えてない。そのまま入院になるので個室へ移された。
真に面倒なのはここからだった。
ベッドに移って一安心、と思ったところに看護師からの説明。
・管刺した右手首は止血済むまでバンドで締め付け、右手は物持ったり力を込める事を禁ず
・足も同じくなので勿論動かすな膝を曲げる事を禁ず
・寝返りを打つ事すら許さん
・当然起き上がったり歩き回ったりも禁ず、勿論トイレは尿瓶
・2時間に一回採血するぞ夜中もやるし寝てても起こす
・これら全てから解放されるのは早くて2日後
せっかく生き延びたのに今度は腰いわして寝不足になって針刺されまくって蜂の巣になって死ぬわという感想。
ついでに入れられた部屋の天井は青空ペイント。
これマジで末期患者が入れられる部屋じゃん。「最期にニセモノでも良いから空見れたし耐えた~~~~~」って言い遺さないといけない奴じゃん。耐えてねえし絶えてる。
そんな状況で撮ったのがこちらの写真です。
上記の状態なのでこれは枕元に携帯を置き、無事な(つっても点滴刺されてる)左手を使ってインカメラで撮ったものだ。
自撮りなんてしないし、自撮り以外の用途も少なくとも自分は知らないのでインカメラで撮った写真フォルダにあるのは今もこの画像だけ。
というかインカメラで撮った写真がセルフィーって名前の別フォルダに振り分けられるとか知らなかった。
自撮りしない陰キャの皆さんも豆知識として覚えておいて下さいね。この記事で得られた唯一の使える知識になるかも知れませんので。
長くなってきたから残りは後編とかでって思ったけどこの後特にイベントないんすよね。
後遺症が!とか再発して命の危機!とか一切ないんで最初の2日はマトモに寝れずにしんどかったけど後は家族にニンテンドースイッチ持ってきてもらって延々ゼノブレイド2やったりシアターデイズとかいうゲームのジレるハートに火をつけてのイベントやってその間に歩いたり走ったりチャリンコ漕ぐリハビリしてた記憶しかない。
あおぞらハウスから一般病棟に移されたら同室のジジイが毎日元気に夜中「ああ~苦しい~死ぬゥ~」って喚いて看護師にかまってもらってて寝不足になってこっちが死ぬわボケって思ったから翌日即家族にイヤホン持ってきてもらった話とかしか出ない。
あと入院タイミングが月末だったので保険組合に申請すれば医療費減額出来る仕組みがあるから申請しろ月内に通れば既に手術費ウン十万かかってるけど減るぞって言われたのが物理的に1000000%間に合わないタイミングで40万くらい飛ばされてトホホ…ってなった話とか。
後で何割か帰ってきたけどお役所仕事らしく退院後2ヶ月近く経った頃だったとか。
気が向いたら書く。(多分向かない)