脳量子波実験報告

思考の垂れ流し

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 ペルソナQクリアしました。

 

p-atlus.jp

 

なんか公式にあらすじ書いてないから雑に。

P3、P4共に文化祭開催期間に突然八十神高校によく似ている、けど現実の高校には存在しない時計塔が校庭にある謎の世界に呼び出されました。

その世界には記憶を失って自分が誰なのか、この世界が何なのかもわからない善と玲という少年少女がいました。

教室開けたらなんか教室の大きさ遥かに超えた迷宮が広がってたんでとりあえずここ探索すればなんかわかるんじゃねー?と思って探索することにしました。おわり。

 

ゲームバランスは…どうなんだろ。まあ悪くはないと思うけど。

 

このゲームに限らないけどやっぱ情報とやれることが少ない内が色々試行錯誤しててゲームしてる感はあったかな…

まあアトラスにしてはヌルい方だったと思う。世界樹は昔体験版やったくらいで良く知らないしとりあえずノーマルで始めたけど最後の方は難易度上げて良かったんじゃないか…と思った。

 

世界樹ユーザーにはお馴染みのFOEとかいうダンジョン彷徨ってるめちゃツヨボスがいるんだけど、本家では倒しても経験値もアイテムも貰えない不毛な戦闘になるから勝てても避ける、というのが定石らしいけどこのゲームのFOEは倒すと経験値ガッポリと高く売れる上に強い装備が作れる素材アイテムを落とす。

その為、一度レベルをあげてFOEを倒せるようになると場によっては立ちふさがるようにいるFOEをゴリ押しで倒して迷宮を進めてしまう上に、大量の経験値やレア素材、そこから作れる強い装備も貰えるので倒せるなら倒してしまおうとなって行くわけですね。

もうそうなったらヌルゲーと化しますね。気が付いたら適正レベルを遥かに超え、謎解きをゴリ押しで解決して迷宮を探索するプレイヤーが出来上がる訳です。僕です。

なので、FOEはもうちょいなんとかした方が良かったかな…と。

単純にダンジョン探索時の適正レベルより10くらい上じゃないと話にならないくらいはやってくれても良かったと思う。レベル上げてFOE倒すとは言ったがダンジョンクリアした時のレベルで挑んだら普通に勝ててしまったので。

*1

 

後は魔法型キャラが不遇なのがな…

このゲームではサブペルソナというシステムがあり、装備したサブペルソナに設定されている数値分のHP、SPは戦闘以外では反映されないが「戦闘が始まるごとに」上昇するので、1戦闘でのHPSP消費がサブペルソナ上昇分以下なら、本来のHPSPは減らさないまま、いくらでも戦闘が続けられる。というシステムがあり、一見魔法キャラに追い風が吹いているように見えるが…

 

本家ペルソナやメガテンをプレイした事のある人間にはお馴染みだがやはりこのゲームもSP回復アイテムがなかなか手に入らなかったり店に並んでもHP回復アイテムとは文字通り桁が違う値段なのでそうそう買い込めない。ここまではいつも通りなので良い。

まずサブペルソナシステムの影響か各キャラのSPの最大値がやたらと低い。

魔ガン振りキャラの雪子、ゆかり、美鶴ですらレベル99にもなってようやく160前後なのだ。

さらにスキル枠が少ない事も厳しい。

このゲームでは各キャラにスキルカードを使って4つまでスキルを自分で設定することが出来るのだが、その枠のせいでキャラが本来覚えるスキルが4枠、そのうちの一つは各キャラのペルソナが覚醒した時に覚えるユニークスキルなので実質3枠しかない。

 

ゆかりならディア系、ガル系、メディア系となるので回復ばっかでマハガルもリカームも撃てないやんけ!となるし、

雪子はアギ、マハラギ、ディアとなりこっちはこっちで安定感ないやんけ!となる。

美鶴に至ってはブフ、タルカジャ、テンタラフーとなりスキルカードを設定しなければほぼ火力役にしかなり得ない。(ただしこのゲームの混乱は魔法を使わなくなり、回避も出来なくなるのでかなり強い。)

スキルもアギ→アギラオなど上位スキルを覚えたときは下位のスキルを消して強制的に上書きされてしまう。これも今から説明するブーストシステムと噛み合いが悪い。

 

 ブーストシステムとは、プレスターンを世界樹方式に落とし込んだもの。

クリティカルやウィークを取るとブースト状態となり、次のターンスキルの消費HPSPが0になる上にターン最速で動けるようになる。

なので魔法キャラはまず、そのブーストを取るためにSPを消費して一度呪文を撃たなければならない。

さらにこのブーストシステム、ブーストを取ったターン中に敵から攻撃を受けると消えてしまう。

せっかくブーストをとってもその次に敵を攻撃を受け、ブーストが解除されてしまった場合はまたSPを消費して魔法を撃たなければならないのだ。

素早さを調整してしまえばいいと思うかもしれないが、速が高い、攻撃を避けてくる相手にはスクンダや速のステータスがかなり下がり、順番がターン最後になる速封じが重要になる為、いまいち安定しない。

そして追い打ちをかけるようにこのゲームでは攻撃魔法の消費SPがやたら大きい。

最初のアギなどは8で(まあそれでも序盤のSPだと結構大きいのだが)まだ気軽に撃てるのだが、

アギラオになると急に28まで膨れ上がる。

アギダインにもなると40。最早雑魚相手に気軽に撃つことは出来ない。

ちなみにマハ~は14→36→64(!)、80~90台の高レベルペルソナでもSP上昇はようやく70~80だという事を言っておけばこんなものそうそう撃てないのは理解いただけるだろう。

それでもコンセントレイト使えば消費に見合った火力が…と思うだろうが、コンセントレイトも消費SPが40。高すぎ。

じゃあブーストを取る為にまずは消費の低いアギでウィークを取ってから…としたいところだが、アギは既にアギラオやアギダインになっている。

しかもアギ、ブフ、ガル、ジオは何故かスキルカードを作ることが出来ない。作ったところで最低クラスの魔法で貴重な4枠の内1枠使うのもそれはそれでアレなのだが。サブペルソナに覚えさせるのも然り。

 

まだ追い打ちをかけるのは流石に心苦しいのだがもうひとつ付け加えると、属性魔法を撃つより属性付き物理攻撃の方が便利。

例えば斬+雷属性の攻撃を敵に当てた場合、斬耐性はあるが雷耐性の弱い敵の場合、耐性の低い雷属性の方を基準としてウィーク判定、ダメージ計算が行われるのだ。

ちなみに斬と雷が両方とも耐であってもダメ減衰の計算が2回かけられるとかも無いので基本的には複合属性で攻撃した方が対応範囲は広い。

~ダインに相当する斬+属性の大ダメージ攻撃も消費HPはかなり大きいのだが、先述した通りHP回復アイテムは安いので買い込み放題だし、SPを消費して回復を撃つ手段もある。

もうこうなるとブースタ、ハイブースタ、ヘルブースタでスロットを埋めて息切らして合間合間にチューインソウル飲みながら魔法撃つ自由度がない上に金のかかる魔法キャラより色々スキル設定できる物理キャラの方が便利になるわけですね。

 

そんな中輝く魔型キャラが直斗。全体攻撃魔法がこれだけSP消費が大きいのだから即死魔法なんてさぞかし消費デカいと思うじゃん?

何故かマハンマオン、マハムドオンの消費SPは32なんですよね。レベル10~20台のサブペルソナですらこの程度の上昇SPは持っている。しかも一発撃って何体か敵即死したらもう仕事としては十分だし。残った敵の片付けは他のキャラに任せてあとは通常攻撃連打でもいい。即死に弱い敵いてブースト取れてたらハマムドもう一発か今度はメギドラオンでも撃とう。ハイ便利。

速、運も高いので先手を取って即死、ボス相手なら状態異常撒きとしてもかなり優秀。

サブペルソナに持たせるなりスキルカード使うなりして不浄の手つけるとハマムドの成功率が飛躍的に上がって手が付けられない。不浄の手はついてる。

 

こんな感じで魔振りキャラがかなり不遇なので好きなキャラがこの辺にいてパーティに入れたい人は中々使い方や育て方に苦悩するかも。僕はほぼ性能でキャラを選んでしまいました。

 

次はクリア時のパーティ構成を。平均レベルは71。ちなみにラスダン適正レベルは50~60程度らしいです。上げ過ぎました。

 

パーティ

番長:主人公はこっちにした。前衛万能キャラ。

ほぼなんでもこなせる上にイザナギノオオカミへの覚醒で耐性がおかしい事になり(闇無効+光以外全て耐)安定感抜群の為パーティには必須レベルのキャラ。まあ主人公だから当たり前なんだけど。

自分はセイテンタイセイを装備。

束縛の手を付けて封じをバラ撒き+解放、自浄メメントで妨害と補助、更に豪傑の双腕(低確率で発動した攻撃スキルをもう一度発動する、低確率と言ってもそこそこの確率で起こるので3割くらいはありそう)をつけて火力も出せるまさに万能キャラと化した。

 

完二:前衛物理キャラ。

このゲームでは壊れスキル1であるデスチェイサー要員。

デスチェイサーは自分と同じ列の味方が敵を攻撃するとその敵に追加で通常攻撃を入れるというもの。

どうやら本家世界樹ではこのスキルは追撃は確率で発生らしいのだがこちらでは必ず起こる。

後述する連鎖の○刃+デスカウンター+デスチェイサー+二又の槍(通常攻撃時中確率で再度通常攻撃を行う)が揃うと1ターンに完二が殴る姿を10回近く見られる。

足が相当遅いがそれはそれで活かす手段はあるし、セルフで獣(龍)の咆哮(3ターン攻撃力上昇+最速で動ける)を覚えるのでやろうと思えば先手を取って補助やドロップ系の攻撃で相手の防御を下げたりも出来る。

途中まで同じようなステ、スキル構成で耐性に弱点の無いガキさんに切り替えようと思ったがロクテンマオウ覚醒でHPが高い相手に対して攻撃力の高くなるボス殺しユニークスキルを覚えるので結局最後までこちらに。ガキさんは雑魚散らしにしか使えないスキルだったのでイマイチ。

状況が整っていれば高レベルになっても3ケタダメージがせいぜいのこのゲームでも4ケタダメージを平気で叩きだすので最高に気持ちが良い。

装備ペルソナはデスチェイサーを覚えるミジャグジさま。

 

キタロー:前衛万能キャラ。

番長に比べると耐やHPが低くペルソナが覚醒しても闇弱点が消えない為安定感に欠けるが、

番長より魔、速が良く伸び素早く火力を出せる為一長一短と言った感じ。

壊れスキル2である連鎖の○刃要員。

連鎖の刃とは、自分が攻撃した後に味方が同じ敵を攻撃すれば追加でダメージを与えるというもの。

そのままでは追加ダメージも一回しか出ず、大した火力も無い為地味なスキルでしかないが、サポートスキルを付けると最大で8回まで連鎖回数を伸ばせる上、連鎖が続けば続くほどダメージが上がるというスキルもつけると1ターンですさまじい火力が出せる。さらにデスチェイサーでの追撃に対してもこの連鎖が発生するので、豪傑の双腕や二又の槍と相まって普通に一人1回ずつ殴るだけでは到底出せない8回連鎖が余裕で可能。

 

アクセサリーで速を調整してパーティ最速にしたのち連鎖を置く。こちらも豪傑の双腕をつけセルフでも連鎖が発生するように。

連鎖回数を伸ばす無限の鎖、ダメージアップの黄金連鎖を持たせた。

というかまさにそのスキル構成になるタナトス装備させた。

さらにメサイア覚醒でランダマイザ(敵ステータス全ダウン)を覚えるので殴る前準備で撒いておけば上記の連鎖チェイサーコンボで1ターンに敵の体力がウン千単位で減るので非常にヤバイ。

 

善&玲:後衛万能キャラ。

ペルソナを付けられない代わりに全属性攻撃+HP回復+状態異常回復+味方ステアップ+状態異常攻撃+確率で自分と同列の状態異常、封じを防止するスキル持ちとほぼなんでも出来るのでやる事がない場面はまずない。サブペルソナを装備出来ないバランス取りのため善玲のSPの上がりはゲーム中トップで、歩くとSPが回復するスキルも覚える為よほど消費を考えない使い方をしなければ長時間探索していてもSPが枯渇する事がないのも◎。

ただ火力は出せないのでボス戦だと補助に回りがち。

 

 

直斗:後衛雑魚散らし+補助妨害キャラ。

 

直斗と言えばハマ、ムド、メギド系と消費の大きい(しかもP4ではハルマゲドンでやりすぎたお仕置きか万能属性のダメージが抑えられていた)スキル構成な上にSPが少ないので扱いづらい、ぶっちゃけ弱いキャラだったのだがペルソナQのシステムと噛み合い化けた。

前述の通り開幕即死を撒くだけで敵がガンガン沈むので、いくら迷宮に潜っていてもHPやSPが一切減らず、アイテム欄がいっぱいになるまで迷宮を抜け出すタイミングがつかめないという贅沢な悩みすらできる。

最終ダンジョンまで行っても光闇どちらにも耐性のある敵が殆どいないのも追い風。

ハマムド系の影に隠れがちだがメギド系も万能ダメージ+相手に確率でダウンを与えるので敵の耐性を選ばず転ばせることができ優秀。しかしこっちでも万能攻撃は言うほど火力出ない。

この手のスキルはやはりこちらのゲームでもボス相手に腐りがちだが、そこはスキルカードやサブペルソナにより有用なスキルを持たせてあればボス戦でも活躍できる。

即死耐性も元々あるので状態異常と封じを防げれば最早無敵である。耐やHPが少ないので殴られると普通に死ぬけど。

善玲と同じく火力を出せるステでは無い(厳密には魔がキタローより伸びる為出そうと思えば出せるが、魔型キャラとしてはSPが最低クラスのため長期戦ではすぐ息切れしてしまう)為、やはりボス戦では主に補助回復役。正直前衛がありえないほど火力を出せるので後衛が火力なくても別にかまわない、というか前衛に気持ちよく殴ってもらうための補助をしていた方が結果的にダメージ効率がいい。

 

装備ペルソナは…なんだったっけ…

不浄の手は割と低レベルでスキルカードが手に入る為、あとはボス相手に使う補助妨害系を付けられてかつSP増加の大きいペルソナを適当に合体させていたので正直なんでも良い。

 

 

 

 

 

 

 

ここからネタバレなのでもう発売から1年近いけど気にする人は一応ここで止めておいてね。ついでに相当クサい事も書いてあります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、記憶も無く正体も不明の善と玲、そして八十神高校の文化祭を再現した謎の世界は一体何だったのか。

 

玲の本当の名前は二子。

ただ二番目に生まれたから。

それだけの意味しかない名前。

 

生まれつき体が弱く、病室暮らしであった。

さらに、親には「あんたなんか産まなければ良かった」と言われ、見捨てられていた。

病院暮らしの為友達も出来ず、行くはずだった八十神高校にも通う事なく、最後には病状が悪化して12年前に死亡していた。

死んで彷徨う魂となった二子の元に時を告げる死神クロノスが現れる。

「君はもう死んでいる。私が君の魂を連れて行く。」そう告げるクロノス。

しかし少女は眉一つ動かさず、何も言わず、ただ佇んでいる。

死んだと告げられると不服を申し立てたり喜んでついてくる人間など色々いたが、事実を告げられても何も反応しない人間などクロノスには初めてだった。

訝しみ、何度も話しかけるクロノス。しかし、なおも少女は反応しない。

この時、クロノスに一つの感情が芽生えてしまった。

 

「この少女が感情を表に出すところを見てみたい」

 

たったそれだけの理由。

とりあえずクロノスは少女の記憶を基に「祭り」を再現する。

こうして少女の前には「文化祭中の八十神高校」という世界が出来上がった。

ようやく反応を示す少女。

 

「私の為に出してくれたの…?ありがとう…」

「でも、こんな世界、見たくなかった。見せてほしくなかった。」

「私、何もしないで死んじゃった。学校に行くことも、外で遊ぶことも、友達を作る事も、恋をすることも。何も。」

「ねえ、私、何のために生まれてきたの?」

「親にもいらないって言われて、何一つできないまま死んだの。私が生きた意味って何?」

「私が出来なかったことが、ここにはたくさんある。でも、私、もう死んでるんでしょ?……だったら、こんな世界、何の意味も無い!」

「こんな世界、見ていたくない!ねえ!早く私を殺して!連れて行って!」

「こんなもの…見たくない!」

そう言って自らの目を潰そうとする少女。

驚いたクロノスは咄嗟に少女の記憶を封印してしまう。

クロノスは少女に残酷な世界を見せてしまったせめてもの罪滅ぼしに、この少女に寄り添うことを決める。

その為に自らの力と記憶を「時計塔」へと封印し、自らの名を「ゼン(善)」とし、少女には「フィレイ」と名を付けた。が、少女はその名を上手く発音できなかったため、略されて「玲」となった。

これが、記憶を失った少年少女が閉じ込められた謎の世界の真実。

そして、記憶を失っていても無意識下で救いを求める二人の意思によって謎の世界と同じ無意識の狭間にあるベルベットルームの住人と、そこに出入りする二人のワイルドを中心としたペルソナ使い達が呼び出されてきた。

 

 つまり、迷宮とは玲の記憶を基にした、玲の人生の追体験だった。

小さな頃は絵本を読み、「おとぎ話」の世界に憧れる。(1層:ふしぎの国のアナタ)

迷宮の奥に封印されていた宝箱から出てきたぬいぐるみは、絵本の中に登場したもの。

少し大きくなって来ると次は学校や友人や恋に憧れる。

しかし病院暮らしだった玲には学校の生活も、友達や恋人の作り方もわからない。

そのためP4組の話していた合コン喫茶というものが友達や恋人を作る為の場所と聞き、それが反映される。(2層:ごーこんきっさ)

ここに封印されていたものは、小さなころ母親から貰ったおもちゃの指輪。

だが、いつまでも治らない病気、病室まで響く自分が行くはずだった「学校」からの鐘の音を聞くうちにその憧れも嫉妬や憎悪に変わり、(3層:放課後悪霊クラブ前半)

最後には「病院」から出る事も叶わずそのまま死んでしまった。(3層:放課後悪霊クラブ後半)

ここに封印されていたものは、生前服用していた薬の副作用により髪の毛が全て抜け落ちてしまった二子の為に看護士が束ねてとっておいた髪の毛。*2

そして、肉体が死に、残された魂は「祭り(祀り)」によって鎮魂される。(4層:稲葉郷土展)

ここに封印されていたものは、すぐに退院したため短期間であったが同じ病室になった少女が二子の死後、棺に入れてくれた別れの手紙。

 

全ての迷宮を巡り、真実を思い出した善と玲。玲は再び絶望する。

それに呼応するように時計塔に封印されていた善から切り離されたクロノスの力と記憶が独自に行動を始めた。いつまでも玲の魂を留める善に痺れを切らし、封印を破って玲を時計塔へと連れ去る。

一行は時計塔を上り、クロノスを倒し玲を救出するが、玲は未だ絶望し続けていた。

 

「私・・・何のために生まれたの? 苦しいこと、妬むことばっかりで・・・!」
「私、何のために生まれてきたの!?」

 

「玲…"生きた意味"なんて、いらないんだ。」

「君がいた。君が生きていた。それだけでいいんだ。」

「ヒトが生まれてからこれまで、そしてこれからも未来永劫、君という存在は今この君しかいない。」
「君は、他の誰でもない。だから君が為すことは全て、君にしかできないことなんだ。」

「君がいなくなっても、君がいた世界は続くだろう。」
「だけどその世界は、君が生きた世界だ。君が生きたことで、ほんの少しでも変わった世界なんだ。」
「その世界の、小さな小さな歯車として君はいたんだよ。」
「何かを為したから、生きたんじゃない…君は生きた…それこそが、君が、生きた意味じゃないのか?」

 

「私は…生きた…」
「私…生きたの…?」
「ありがとう…」
「私、きっと…誰かにそう言ってほしかった…」

 

「こんな…たったこれだけの言葉を求めていたなんて…」
「君をこんなに長く苦しめて、私は…」
「…ごめん。」

 

「善…私、うれしいよ。」
「私は、生きたんだ。精一杯…生きたんだ。」
「善、ありがとう。待っててくれて…」
「私、あなたと行く。」

 

既に死んでいる玲は勿論、クロノスとしての力を失った善もまた、役目を終えた為に玲と共に還る。

魂のあるべき所へと還ろうとする玲は最後に今まで描いてきた迷宮の地図を見て自分の人生を思い返す。善の言葉によって自分の人生にも意味があったと思えた今の玲ならば笑顔でそれを見返すことが出来るから。そして2人は手を繋いで共に旅立って逝く。

 

地図を自分で描くというシステムすらシナリオに組み込んできたのは流石に驚いた。

これ、ロクに書いてなかったりラクガキしまくってたりで真面目に書いてないと玲ちゃんに酷い地図見られるよと思いつつもそれも含めて冒険を思い返す事になるんだよなぁと思うと上手い使い方。

 

それ以外にも細かい所にもしっかり意味を持たせてあるのは評価したい。

 

・玲がよく食べる腹ペコキャラにされていたのも無意識下での生への渇望であり、食べていたのがジャンクフードばかりなのも病人食では到底出てこない様なメニューを食べてみたい願望があったから。

・このゲーム、迷宮にパワースポットというレア素材アイテムが拾える地点があるのだが、そこで拾えるアイテムが壊れたアクセサリーとか260番の楽譜「主よいよいよ」(キリスト教の葬式曲)とか教科書の切れ端とか白いユリとか白い壺とか思い返してみると完全に…なラインナップ。

・4層の大ボス、「おともだち」は玲のシャドウが抱えていた1層のぬいぐるみの首に亀裂が入り、そこから漏れた綿が膨れ上がって巨大化するのだが、これはガン細胞の再現と思われる。

更にこのボス、最初にHPを0にした時必ず食いしばりで耐え、HPが全快する。

・ゼンとフィレイはギリシャ語でそれぞれ「生きる」、「愛しい」らしいです。

もう最初からベタ惚れやんかお前。名前がバカップルってどういう事やねん。

 

これ、二週目やると玲のちょっとした言動でも曇りそうだなあ…

「味があるものは大体好きです!」とか知った後で聞くとめちゃくちゃ重い。病人食なんて味の濃い不健康そうなものとか出ないだろうし。

 

 

単なる外伝、3,4キャラ総出演のお祭りゲーだと思っていたら想像以上のお祀りゲームでしたというオチ。

 

ぶっちゃけ結構ハードル下げてやり始めたのでこんなにシナリオ作りこんでたのは驚いた。

本家やメガテンでも使えそうなくらい生と死というテーマをキッチリ作りこんで出してきましたよ。3,4キャラ出演のゲームなのにテーマの取り扱い方は1,2みたいだし。

 

 

善と玲が主人公なのは勿論だが、天田と完二も陰の主人公と言えるくらい掘り下げられていた。

P3組は呼び出された時期が文化祭の為、天田は荒垣への複雑な思いを抱えたままなのだが、完二の言葉によってそれが少し軽くなる。

ガキさんを殺す前に躊躇ったのはこの時の記憶が無意識下で働いたからじゃないかな…と思わせる感じ。

完二も天田の言葉によって自分の将来を真剣に考え、教師を目指すことを決意する。

P4Gの真エンドのエピローグで完二が黒髪真面目君になってた事もこの世界での記憶が残っていたからかも…っていう。まあこの作品自体後付なので結論としてはどうとでも、としか言えないが。

 

キャラクターは総勢17人もいる為、各キャラしっかりと描くのは流石に厳しいのかよくない方向に個性がブーストした感じになってるのはまあ…

チエチャンと真田が肉肉トレーニングバカにしかなってなかったりクマが本編より女好きにされてやたら扱いの酷いオチ要員にされてたりアレだったかな…

 逆に各キャラキチンとクロスオーバーさせてるのは良かった。

さっきの千枝真田コンビもあそこまでかはともかく方向性は似たようなものなのでまあ実際会ったらこういう感じになるよなあ、というのは上手くやっていたように思う。クマとコロマルがマスコット対決(?)を通じて仲良くなっていたりりせと風花のナビコンビもナビとして見守るしか出来ない歯がゆさを共感していたり。

 

シナリオ中でさりげなく良いイベントだと思ったのは4層の大ボスの際に玲のシャドウが出てくるイベント。やってくれたなと思った。

玲のシャドウが出て来てP4組は慣れたもんよと言わんばかりにシャドウを一度倒してから玲にシャドウを受け入れさせようとするわけだが頑なに受け入れない玲。そしてシャドウは消えてしまう。

まあこんなもん受け入れられるわけがない。

そのシャドウは死んでいる自分なわけで、受け入れればつまり自分の何もなかった人生と既にその人生が終わっているという事実を認めることになってしまうのだから。

所謂お約束を破る形で玲の記憶を解き明かすのは中々面白い試みだったように思う。

 

とまあこんな感じで、シナリオより戦闘に期待して始めたのだが、やってみたら面白いのはシナリオの方でした。っていう感想。まあ戦闘も楽しめたけどね。

今はムジュラやってるけど、次は世界樹やってみようかな。

 

 クリアしてからOPみるとめっちゃネタバレやんこれ!ってなるな…

しかもOPの曲名がMaze of Lifeて…ダンジョン探索RPGだからそういう事かと思ったらそっちかよ!

 

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*1:どうでもいいけど初めて入るダンジョンではFOEに対するこちらのレベルを参照しないようで、FOEに遭遇するととうに倒せるレベルを超えていてもナビに「危険だから逃げて!」と言われる。うるせーっつって挑むと普通に勝てるのでどういうことやねん…となる

*2:このダンジョンの大ボスが医者とナース×2なのだが、戦闘でHPを減らすと医者が「患者の容態が急変している!このままでは危ない!」みたいなセリフを言うけどこうして思い返してみるとこれも玲が死ぬ前に受けた手術中に医者が実際に言っていたセリフだったのかもしれない。